微小変化型ネフローゼ症候群、3回目の再発の入院記録

微小変化型ネフローゼ症候群の3回目の再発時の備忘録

【入院11日目】LDL-Aの準備と、留置点滴が一時的に抜けたこととか

入院11日目。

 

LDL-A(LDLアフェレーシス)の日程が決まった。月曜日の10:30から。内頚静脈からカテーテルを入れて、第一回をそのまま透析室で行う予定。その後、何回行うのかは未定。経過を見ながら、決めていくのかと。

 

2日ほど前に、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)から巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)へと、病名が変わったと、非常に落ち込んでいたが、まだ確定というわけではないということが分かった。

落ち込んでいたのは、MCNSより、FSGSの方が、より予後が悪いため。

 

www.med.osaka-u.ac.jp

 

Dr.からの話を聞いた瞬間に、落ち込んでしまい、何も頭に入っていなかったようだ。何故、私の中で、勘違いが起こったのかというと、LDL-Aという治療法は、FSGSにのみ適応であるため、Dr.が一筆書けば、「LDL-A」という治療法を行えるという説明を、「私の病名は、実はFSGSだったんだ」というように捉えてしまったため。

FSGSではない、という確証はないが、確定でもないということ。

 

今のところは、

MCNSの「ステロイド依存性」または、「頻回再発型」。または、FSGSの中のどれかであろうということ。どれにしても、よいことはないのだが。

 

LDL-Aという治療法については、

エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン 2017

を読めば、FSGSに適応であることが、容易に理解することができる。

 

FSGSの治療については、p39辺りから、参照していくと詳細な記載にたどり着くことができる。

 

ステロイド抵抗性の FSGS では低用量ステロイドとシクロスポリンの併用療法が,プラセボもしくはステロイド単独療法と比べて寛解導入において優れ,また,腎機能保持について
も現時点で期待できる最善の治療法として推奨される.ただし,長期投与による腎毒性の問題や,シクロスポリン投与中止後の高頻度の再発7),さらにはほかの免疫抑制薬に対する優位性,有害事象の検証,適切な投与期間,用量,投与法などさまざまな課題を解決する治療プロトコールについては,依然として検討の余地があり,今後のエビデンス集積が期待される.

(p41より引用)

FSGSについては、シクロスポリンの併用を私自身も行っているが、ステロイド10mg、シクロスポリン110mg以下にすると再発することが分かった。(2019.10現在)

また、シクロスポリンの腎毒性、ステロイドの蓄積による身体への負荷についてもDr.らは懸念しているということであった。私も、1年間ステロイドを飲み続けてきたことでの、副作用の出やすさや、蓄積を身体で感じているところがあり、是非とも他の治療法は試していきたいと感じている。

私の場合には、精神症状が出やすいベースがあるため、ステロイドを飲んでいることで日常生活や仕事に支障が出るため、ほかの方法を探ることが生きていく上では必要となってくる。

 

同時に、入院時に、検討されていたミゾリビンについては、Dr.からは何度も、「なるい薬」ということで説明を受けていた。そのため、今回は、ミゾリビンの試用をすることなく、LDL-Aへと踏み切るということになったのだと考える。成人へのミゾリビンへの効果は、報告が少なく、どちらかというと、小児のネフローゼへの効果が報告されている。

 

 小児の FRNS を対象とした RCT ではプレドニゾロン(1.0~2.0 mg/kg,28 日間)にミゾリビン(4 mg/kgBW/日)あるいはプラセボをそれぞれ 48 週間併用追加投与した場合,ミゾリビン併用群の10歳以下の群で再発率がより低下したと報告されている4).また小児の頻回再発型 SDNS では,プレドニゾロンと高用量ミゾリビン(10~15 mg/kgBW/日分 2,週2 回投与)併用療法も試みられており,再発回数の減少,副腎皮質ステロイド薬投与量の減少効果が報告されている5).しかし,成人例でのミゾリビンに関するエビデンスは高用量投与を含めほとんどなく,その有効性は明らかではない.しかし,成人ステロイド依存例において尿蛋白減少を認めたとする症例報告がある6)

(p43より引用)

 

 また、やはりシクロスポリンはFSGSにおいては有効であるという記載もある。

 ステロイド抵抗性の成人巣状分節性糸球体硬化症に対して,シクロスポリンの追加には尿蛋白減少効果がある.寛解例では腎機能低下抑制効果もみられる.しかし,クロラムブシル,ミコフェノール酸モフェチルの追加にはシクロスポリン以上の尿蛋白減少効果はなく,これらの免疫抑制薬の直接的な腎機能保護に関するエビデンスもない

(p44より引用)

 

だが、腎毒性については、注意が必要と再三記載があり、妊娠を希望している、かつ、若年である私においては、ほかの治療法を試すのがよいと考えているのだと感じる。

 

 

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予後不良、ということは、死亡例や寛解に至らない、至りにくいということを指すわけだが、少しでも10%でも、良い方向に振れてもらえるように祈る。

 

LDL-Aは、月曜の午前中にカテーテルを内経静脈から入れるわけだが、今回は3本管が出た状態となる(病院による、また、出来ない病院もある)。最低、血液を抜く・戻す2本が必要となるが、私の入院している病院では、3本のみ使用しているとのこと。

 

LDL-Aを入れると、首から上を洗うことができない。濡らすことができない、清潔を保つ必要がるため、今日・明日で、入りたいだけシャワー浴をしておこうと思う。その後は、洗髪介助となることが考えられる。

 

身体のみであれば、自身で行っても問題がない。そのため、夫に、シャンプーの追加を頼み、着替えも頼んでおいたため、日曜日に持ってきてもらえる算段となっている。

 

来週は、LDL-Aを3回、再来週は2回で、結果を見つつ行っていく。追加で、シクロスポリンカプセルの増量をして、副作用を見ていく。首から管が出た状態で過ごすので、ここからが、私の中での正念場となるのかもしれないと、覚悟をしておく。

 

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LDL-Aについては、ここまでとする。

留置点滴を、土曜日の14時をもって、一時的に抜いてもらうことができた。大暴れするわけではないのだが、身体に何かが刺さっている状態というのは、緊張をしたり、多少なりとも違和感や痛みを感じるものだ。入浴時にも、濡れないようにラップをしたり、気にする必要がある。

 

土曜日の午後から、月曜の午前まで、留置点滴がない状態で過ごせるのは、気持ちがいい。こうやって、パソコンやスマホから、ブログを書くことも、違和感なく行えるのが、いかに気持ちがいいものかと感じながら過ごしている。夜眠る時にも、鈍い痛みを感じずに、眠ることができる。

 

こころが安らぐ時間を持てている。

もちろん、月曜から2週間、カテーテルを入れた状態で過ごすので、気になる所ではある。Dr.からも、それまでは、自由に過ごしてくださいねと声をかけられているので、覚悟してく。

 

ここまでの、約2週間、Twitterで話をしてくださる方にずいぶん支えられた。弱音を吐き、嫌なことを嫌と感じられているのは、それを分かってくれる、経験してきた人たちが、側にいてくれるからだと、本当に感謝の気持ちでいっぱいなのだ。

やってみないと、経験してみないとわからないこと、やっていてもわからないこと、なんて世の中にはたくさんある。

 

同じ病気でも、同じ経験でも、違うように感じるものはたくさんある。ただ、そこに、一人じゃない誰かが存在していてくれること、そして、そういう人たちと、交わす、病気でない会話も、私には支えになっている。

 

トータルで1か月くらいの入院と言われているので、あと、半分ほど、ゆるりと過ごしていきたい。(そんな現在は、タンパクは4で、下げ止まっている状態である。パルスをして下げることもできるが、それよりも、ほかの手をやっていきたいという方針だと、説明を受けた。ステロイドパルスは一時的なものに過ぎない。)