微小変化型ネフローゼ症候群、3回目の再発の入院記録

微小変化型ネフローゼ症候群の3回目の再発時の備忘録

【入院25日目】ステロイドの副作用はこれから本格化。頸部カテーテルが抜けた日。

入院25日目。

 

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頸部カテーテルを抜いてもらえた。

 

今回入院して、はじめて、LDLアフェレーシスという治療法を知り、頸部カテーテルを入れて治療を進めた。プレドニンは点滴で80mgまで増やして、少しずつ減らして、40mgを経て、今は30mgになった。

 

1年間飲み続けてきた蓄積はあるようで、肌は一気にぼろぼろになって、顔は今までにないくらい腫れあがった。入院した時が、一番健康的に見えていた。

 

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退院が見えてきた今、ステロイドの副作用はどんどん強くなってきている。ステロイドの副作用は、少しずつ出てくるのだ。「退院おめでとう」「寛解おめでとう」そんな声に、励まされながら、副作用が強くなっていくこれからを思うと、「(全然めでたくない。これからしんどいんだよ。)」とどこか思ってしまう所がある。

 

【治った】という定義ならば、10日目くらいで、【治った】状態にはなっていた。ステロイドの副作用や、ネフローゼ症候群の理解は難しいと思う。なんというか、すっきりしたものの、全然すっきりしない。

 

ステロイドの副作用は、これから強くなる。薬が減ってきていても、肌の状態や、多くの副作用は、遅れてやってくる。自宅に帰ってから、現実に戻って、いつもの生活に戻ると、より副作用を感じる。

 

 

たぶん、2か月くらいは、「全然めでたくない。」と思っていると思う。私の心は、しばらく、こうやって、ひねくれていると思う。

 

元に戻って退院できれば気持ちがいいのだけれども。だから、多床室だと「誰が一番に良くなって退院できるかな」「元気そうだね」「若いからいいわね」「まだまだこれから、楽しいこといっぱいよね」なんて、おばーさんたちから、羨ましがられたり、元気そうに見られたりすると、本当は「(ふざけんなー!)」と思ってしまうこともある。

 

年末くらいまでは、うだうだ、心がひねくれたりしながら過ごすのだと思う。きっと、これは、ステロイドの内服治療をしたことある人や、見た目から分かりにくい病気になったことがある人にしか分からないのだと思う。とても、とても、繊細な部分なのだと思う。ほんとうに。

 

治療をしている同士だからこそ「よかったね」を受け入れられることもある。だから、同じ病気や、ステロイド治療をしている人や、難病で同じような気持ちになったことがあるツイートをしている人たちからの言葉は、より私の心にすっと入ってきて、癒されることがある。

(もちろん全員が全員そうではなくて、私が2回目の再発をした時に、「なんだ、発症してから、まだ2回目の再発か」とリプをしてきた人がいたことは、死ぬほど恨んだこともあった。)

 

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ひねくれた心の話は、このくらいにしておこう。

 

先週の月曜日から13日間、私の首に刺さっていた首のカテーテルがついに抜いてもらえた。テープの固定位置で、肩がガチガチになったり、洗浄・消毒で毎日死ぬほど痛い思いをしたり、シャワーに入る気にもならなかったり、顔すら思うように洗えなかったり、歯磨きをする気すら奪われたり、起き上がるのにも寝るのにも首の血管に管が三本も刺さっていた状態からやっと解放された。

 

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来週の中頃までは、テープを貼っておかないといけなくて、頭からシャワーを浴びることは出来ないので、頭は洗ってもらわないといけないのだが、首からぶらぶらと三本もぶら下げながら、濡らさないように、わきの下くらいまでしか、そーーっと洗えない状態からは解放された。

 

首にテープが貼ってあって、濡らさないように言われているので、そーっとする必要はあるのだけれども、肩からそーっとシャワーを浴びることができた。とても気持ちがよかった。

 

何より、怖がりで、ホラーが苦手で、ビビりな私にとっては、首の血管に何かが刺さり続けている事実が恐ろしくて、ずっと緊張していたので、それがなくなったという事実だけで、とてもとても、肩の力が抜けた。

 

だって、首の血管ですよ。

 

首の血管から、三本も管が出ているんですよ。

 

毎日の消毒もなくなり、痛い洗浄・処置もなくなり、ほっとした。毎日、洗浄・消毒の時間には、冷や汗をかいて、いつやるんだろうと朝からそわそわして過ごしていた時間が無くなると思うと、もう本当に嬉しい。どれだけ、この13日間、毎日緊張して過ごしていたんだろうと、今になって感じた。

 

こんなにも、負担になっていたんだなと、今更、感じて、必死だったんだと、必死に毎日を乗り越えてきたんだと、やっと少し気付いた。それにすら気付かなかったくらい必死だったようだ。

 

今日、カテーテルを抜くと言われていて、朝からずっと緊張していて、緊張のあまり、朝早くに目が覚めて、午前中はぐったりして、よだれを垂らして気絶をするように寝ていた。

 

本当に、よかった。昨日、泣いていたのは、死ぬほど怖かったからだろうか。やっと抜けるという安心感だったのだろうか。疲れだったのだろうか。いや、もう、全部だろうなと思う。

 

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夫は、今日は、残業決定の、忙しい日なのだが、泣いていないか心配だと前々から話していた。私は泣き虫だから、よく心配される。

 

今日の残業が終わったら、夫は三連休になる。「やったー三連休なんだー」と嬉しそうに話していたので、私も嬉しい。今日は、面会時間には会えないので、ごはんの写真を送っておいた。

 

ステロイドの副作用はこれからで、現実に戻ったら、生活やお金のこと色々なことが待ちかまえている。おめでたくなく、これから、また自宅療養生活が、長い長い自宅療養生活と、色々な現実が待ち構えているのだが、とりあえず、グロイのが苦手な私は、ほっと肩の力が抜けた日になった。

 

ステロイドの治療をしている人が近くにいたら、手放しで「おめでとう」というのは、気を付けた方がいいと、私自身も思う。でも、病とは闘わず、夫との生活を楽しみに、再発しないことを祈って、退院を迎えられることを祈って過ごしたい。

 

「おめでとう」よりも、「おつかれさま」「がんばったね」のほうが、ありがたかったりするのかもしれない。ステロイドの副作用が、これ以上増えないうちに、もう少し、薬が減ることも全力で祈っている。でも再発はしたくない。そんなジレンマ。